情報商材はなぜ存在するのか【情報商材そもそも論】

情報商材はなぜ存在するのか【情報商材そもそも論】

情報商材はなぜあるのか。

いきなり大上段に構えたテーマですが、そもそも論としてこの点を簡単にまとめておきたいと思います。

 

情報商材......ネットで買えるいろいろな情報の総称です。

 

多くはすぐにダウンロードでき、金銭、時間、能力アップ、人間関係、ダイエットなどで画期的な成果をあげられるノウハウが詰め込まれています。

 

情報商材は、必ずしもプロのライターや士業などその道の専門家が書いているわけではありません。また、商業出版のように「出版社」という著者から見て第三者的機関が発行する訳ではなく、著者自身や著者の会社から直接自由に公開されます。

 

ですから、この場合の「自由」というのは、率直に言えば「無原則」という言葉に置き換えることもできます。

 

それだけに、情報商材なんてどこまで信用できるのか? という疑問が抱かれるのは当然であり、また客観的に見て「何だ、これは?」というものが多々混さっていることも事実です。

 

ただし、だからといって情報商材は質が悪い、役に立たない、と決めつけるのは早計です。

 

一方で情報商材は、著者に対して以下のような旨みがあります。商業出版の経験がある「プロの書き屋」であっても、作品の販売を商業出版ではなく情報商材にシフトしたくなる旨みです。

 

このような旨みがある以上、情報商材に対する期待を窄める必要は全くありません。

 

旨みその1・ドシロウトでも出せる

 

まず、商業出版では普通、コネも実績もないドシロウトの本は出してくれません。とくに最近は出版不況が深刻ですから、無名の新人で勝負するだけの余裕は出版社にはありません。

 

そのため、一般には名前が知られていないけれども、実は画期的な情報を持っている人が、では本を書いて発表しましょう、というコースにのりにくくなっています。

 

そういう人でも、不特定多数に発表できるのが情報商材の良いところです。

 

中には、様々な事情から、むしろ商業出版には出したくないから情報商材としてリリースする、という人もいます。

 

つまり、既存の出版社が見落としたり、扱いきれなかったりした「掘り出し物」があるということです。これは何より、情報商材の真骨頂といえます。

 

旨みその2・作品と著者の距離がより近い

 

商業出版は、当たり前ですが著者と出版者の契約によって成立しています。

 

具体的には出版契約書を取り交わします。その内容はケース・バイ・ケースですが、要は、著作権そのものは著者にあっても、それを出版する諸権利は、著者の自由にはならないということです。

 

これは、どんな大物の著者でも例外ではありません。

 

著者が誰であっても、作品は出版者の意向を無視できないのです。ひらたくいえば、著者の原稿の最初の買い手は出版者ですから、著者は出版者の意向に合わせる妥協が大なり小なり必要なのです。

 

たとえば、類似書が出ているからといって、著者にとってはあまり本質的でないところなのに、より多い文字数で書いて欲しいと言われることがあるかもしれません。逆に、せっかく書いたのに、ページ数の都合でカットされてしまうかも知れません。

 

それに比べれば、「無原則」な情報商材は、著者の伝えたいことがストレートに表現されます。それだけ著者の意向とと作品の距離が近いものが情報商材なのです。

 

旨みその3・「利益」が量も質も違う

 

三つ目は、その出版契約との関連です。

 

1500円の本が1冊売れたとして、著者に入ってくる印税は通常、その10%の150円です。著者の知名度や実績、マーケティングの結果次第では、さらに低くされることがあります。

 

たとえば、初版で5000部を刷ってそれが全部売れたとしても(現在の出版界で5000部売るというのは大変なことです)、75万円です。

 

そこから、著者が作品を仕上げるために使った経費(取材費等)を引けば、さらに利益は少なくなります。

 

しかし、情報商材ならどうでしょうか。かりに同じ1500円で売ったとして、5000部売れると750万です。ここから、商材代理店やサーバー管理などの手数料を引いても、相当なお金が残るでしょう。何しろ、製本や印刷は購入者がやってくれるのですから、商品に対するお金のかかり方が根本的に違います。

 

それだけでなく、購入者のリストは著者自身が得られますから、その顧客相手に次のビジネスが展開できます。それが、原稿を書くだけで購入者との接点が得られない商業出版との違いです。

 

つまり、著者が出版者としての旨みも得られ、かつ、ネットならではの新たなビジネス展開にそれを結びつけることができるのです。

 

もちろん読者(購入者)にも利益はある

 

これまで書いてきたことは「著者の旨み」ですが、読者(購入者)にも利点はあります。

 

たとえば、商業出版と違い、著者の直販ですから、著者との距離が近く、それだけ情報に対する質問やフォローなどが得やすいということです。

 

また、多くの場合、著者は作品だけを一方的にリリースするのではなく、きちんと自分のプロフィール、それも綺麗事ではなくより泥臭い身の上ーを明らかにしていますので、「売り手の顔が見える」ビジネスになっています。購入者側の親近感や信頼感は、その点でも商業出版を上回るものになるでしょう。

 

こうした特長は、情報商材というものの市場がなぜあるのか、ということを十分に納得させてくれるものになっています。